New Ordinary

HUH - "New Ordinary"
<Cassette Tape>
A-1. WE DO NOT DO ANYTHING
A-2. NEVER THINKERS
B-1. YOU DO NOT GO ANYWHERE
B-2. WE ARE VILLAINS,WE ARE
<DOWNLOAD>
1. NEVER THINKERS
2. THIRSTY
3. WE DO NOT DO ANYTHING
4. SCREWED US UP
5. DEFINITIONS
Cassette Tape + Download 1,650yen(tax in)
DOWNLOAD ONLY / BANDCAMP
Recorded / Mixed / Edited by Koki Miyabe (ENDON / TRIADOF13TH / AKBK / PRAYMATE)
Mastered / Text by Nobuki Nishiyama (SOUP)
Artworks / Designed by Kyosuke Terada
「New Ordinary」は、テラダキョウスケとモリタクマによるデュオ、HUH(ハー)の、dotsmarkからは初のリリースとなる新作カセット/ダウンロード作品である。
現在の東京でもっともアクティヴに音楽イベントを主催するひとりであり、また、ソロのほか、DJ MEMAIとのTHE OBEY UNIT、Shizuo UchidaとのMAI MAO、Kentaro NagataとのBAY CITY ROLAZ、ENDONのKoki MiyabeとのPRAYMATEなど、数多のユニットでも活動するテラダキョウスケと、ソロによる即興のドラムセッションのほか弾き語りのうたやグンジイズミ(ex.disk-3)とのアンビエントコア/ドリームポップデュオ・Cosmetic iでも活動するモリタクマの二人の活動は、なかなかひとつのジャンルや立場や視点だけから理解するのは難しいかもしれない。それは音楽的な形態や技法の定義をあらかじめ拒絶しているようでいて、しかし決して必ずしもそうではないという側面も同時に内包するものだ。
「New Ordinary」も、そうした彼らの立ち位置を端的に表している。カセットで片面3分(ダウンロード版では30分)という冗談のような収録時間のなかに瞬発と弛緩と、互いへの協調と反発と、そして奔放なワイドさと緻密な計算高さとが交錯する。ともすればめちゃくちゃに聞こえるかもしれないサウンドでありながら、そこにはノイズ、フリージャズ、エレクトロアコースティック、即興音楽、またはより広義のロックなど、多くの音楽性の断片を含んでいて、その断片が極めて入り組んでいるがゆえに、総体としてなにかのラベリングに落とし込むことは困難だが、あえて彼らの音楽が目指しているところをまとめるとするならば、“奏法のクリシェを避けつつ、ある特定のテンションと反応速度へ到達すること”ということになるだろうか(彼ら自身は、自らの音楽のことを“フリーフォーム・フリークアウト”と表現している)。またはバンド名の由来である、“線対称の短めの英語で、かつ意味や感情がないもの”という考え方が助けになるかもしれない。つまり、意味はあるにはあるが、特にそれが重要ではない──のだ。
録音/エディット/ミックスは盟友であるENDONのKoki Miyabeが担当。アートワークおよびデザインはテラダキョウスケ自身によるもの。150部限定。
(西山伸基)